こんにちは、moto_instructorです。
前回の記事「自衛隊で活躍するために必要な基本スキル」では、建前…いや、正統派なスキルについて解説しました。
でも正直に言います。
20年間、様々な隊員を見てきて気づいたことがあります。
教科書に書いてあるスキルも大切ですが、実際の組織では「なぜかトラブルに巻き込まれない人」「なぜか愛される人」がいるんです。
今回は、そんな現実の組織で重宝される「リアルスキル」について、元指導官の本音で語ります。
※注意:これはあくまで個人の経験談です。組織批判ではありません。
むしろ、どんな職場でも通用する普遍的な話として読んでください。
実際の組織で重宝される「リアルスキル」3選
1. 強い【物理的な強さの威力】
「え、これってスキル?」と思うかもしれませんが…
はっきり言います。物理的に強い人には、なぜか文句を言いにくいんです。
自衛隊での観察結果
- 格闘で強い人 → 理不尽な命令が少ない(ゼロとは言いませんが笑)
- 体力検定上位者 → 周りから一目置かれる
- というか皆精神的に安定してる
なぜこの現象が起きるのか
- 本能的な「強者への敬意」
- 「この人を敵に回したくない」心理
- 無意識の威圧感・存在感
民間でも同じ現象
- スポーツできる人 → 職場でのポジションが良い
- 体格の良い人 → なぜか意見が通りやすい
- 武道経験者 → 一目置かれる存在
体験談:格闘指導官時代の観察 格闘技が得意な隊員は、確実に理不尽な扱いを受けにくかった。別に威嚇するわけじゃない。ただ存在するだけで、周りが勝手に配慮してくれる。
これって、動物の世界と同じなんですよね。
でも注意点
- 強さを振りかざすのはNG
- あくまで「潜在的な抑止力」として
- 人格が伴わないと逆効果
身につけ方
- 継続的な筋力トレーニング
- 何かしらの格闘技・武道の習得
- 体力向上への地道な取り組み
- 正しい姿勢・歩き方で存在感アップ
2. 仕事ができる【排除されない理由】
「この人がいないと困る」状態を作り出すスキル
組織の中で最強の立ち位置は「仕事ができすぎて、排除すると困る人」です。
自衛隊での具体例
- 整備ができる → いなくなったらその機械が動かない
- PC作業 → 不得意な人も多いので他の人にバレないようにこっそりやってあげると喜ばれる
- 事務処理のプロ → 手続き関係は全部丸投げ
組織における絶対的地位 理不尽な命令や嫌がらせを受けそうになっても:
- 「でも○○さんがいないと困るよね…」
- 「この人を敵に回すと後が面倒…」
- 「機嫌を損ねたら仕事が回らない…」
民間でも全く同じ
- システムに詳しい人 → IT関係は全部この人
- 営業成績トップ → 絶対に切れない存在
- 社内の調整役 → この人がいないと会議が進まない
戦略的な「不可欠化」
- 組織の困りごとを見つける
- その分野のスペシャリストになる
- 他の人では代替不可能にする
- でも嫌味にならない程度に
注意点
- 「俺がいないとダメでしょ?」的な態度はNG
- あくまで謙虚に、でも確実に価値提供
- 技術の独占はほどほどに(後輩も育てる)
身につけ方
- 組織で需要が高いスキルの特定
- 継続的な学習と実践
- 困っている人への積極的な支援
- 「ありがとう」と言われる回数を増やす
3. 面白い【愛される存在になる】
「この人がいなくなったら寂しい」と思わせるスキル
閉鎖的な組織で最も重宝されるのは、場の空気を明るくしてくれる人です。
自衛隊での「愛されキャラ」
- 絶妙なタイミングでボケる人
- 全然嫌味のない自虐ネタが得意な人
- 周りを笑わせる天然さがある人
- 場を和ませるコミュニケーション能力
なぜ組織に必要なのか 厳格な規律、上下関係、ストレスフルな環境…そんな中で:
- 息抜きの提供:心の安らぎを与えてくれる
- 潤滑油の役割:ギスギスした関係を和らげる
- モチベーション維持:楽しい時間を作ってくれる
民間組織でも同様
- 会議の合間に笑いを提供する人
- 飲み会で場を盛り上げる人
- 何気ない会話で和ませてくれる人
でも勘違いしないでほしいのは…
- ただのお調子者とは違う
- 場の空気を読む能力が必要
- 基本的な仕事はきちんとやる
- 相手を不快にさせない配慮
「面白い人」の特徴 ✅ 自分を笑いのネタにできる(自虐系) ✅ 相手を傷つけない笑い ✅ 場の空気を読むのがうまい ✅ 話すタイミングを心得ている ✅ 基本的に人を笑顔にしたい気持ちがある
❌ 他人をバカにして笑いを取る ❌ 空気を読まずに騒ぐ ❌ 仕事をサボって遊んでばかり ❌ 上官の前でも同じノリ
身につけ方
- 自分の失敗談を面白おかしく話す練習
- 相手が笑顔になる話し方の研究
- 場の空気を読む観察力の向上
- 基本的なコミュニケーション能力の習得
3つのスキルの組み合わせ効果
最強の組み合わせ
強い × 仕事できる × 面白い = 無敵
でも現実的には:
- 1つでも十分効果あり
- 2つあれば組織での立ち位置は安泰
- 3つ揃えば、もはや敵なし
どれか1つから始めよう 自分の性格や興味に合わせて:
- 体を鍛えるのが好き → 「強い」から
- 勉強・スキルアップが好き → 「仕事できる」から
- 人とのコミュニケーションが好き → 「面白い」から
20年間の自衛隊生活で、ざっくり1000人ぐらいは関わってきたはずなのですが、この3つのスキルを完全に網羅できてると思った人は2~3人ぐらいしか思いつきません、実際部隊でも存在感があって慕われてて、何ていうか本当に無敵でした。
民間企業でも全く同じ現象
驚くべき共通点 どんな組織でも、重宝されるのは:
- 存在感のある人(≒強い人)
- なくてはならない人(≒仕事できる人)
- いて欲しい人(≒面白い人)
なぜこの現象が起きるのか 人間は結局、感情で動く生き物だから:
- 怖いから文句言えない(強い)
- 困るから大切にする(仕事できる)
- 好きだから守りたい(面白い)
でも一番大切なのは…
人としての基本的な部分です。
どんなにスキルがあっても:
- 人を見下す
- 自分勝手な行動
- 基本的なマナーがない
- 思いやりがない
これらがあると、全てが台無しになります。
真の最強スキル:人間性
リアルスキルは、あくまで「人間性」という土台の上に成り立つものです。
まとめ:組織サバイバルの現実
建前論だけでは語れない組織の現実
正直に言います。組織で生きていくには、教科書的なスキルだけでは不十分なことがあります。
でも、これらの「リアルスキル」は決して後ろめたいものではありません。
- 強さ:自分と他人を守る力
- 仕事力:組織に価値を提供する力
- 面白さ:周りを幸せにする力
全て、社会に必要な能力です。
どんな組織にいても
- 理不尽な扱いを受けにくくなる
- 自分のペースで仕事できる
- 周りとの関係が良好になる
- ストレスが大幅に減る
現役の皆さんへ 組織で苦労している方、これらのスキルのどれか1つでも身につけてみてください。きっと状況が変わります。
指導者の皆さんへ 部下がこれらの要素を伸ばせるよう、サポートしてあげてください。組織全体の雰囲気が良くなります。
転職を考えている方へ これらのスキルは、どの職場でも通用します。自衛隊で身につけた経験を、自信を持って次の職場で活かしてください。
次回予告 今度は正統派に戻って「格闘指導官が教える!自衛隊で必要なコミュニケーション術」を予定しています。
建前と本音、両方大切ですからね😄
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